大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和25(あ)554 判決

主 文

本件各上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人等の負担とする。

理 由

被告人A興業株式会社、同Bの弁護人渡辺靖一並びに右被告人等本人の各上告趣意

は、後記のとおりである。

弁護人渡辺靖一の上告趣意第一点について。

所論は、法令の解釈を誤つたことに基因する事実の誤認を主張するものであつて、

刑訴四〇五条の定める上告の事由に当らない(所論の事件受理の申立は、上告の提

起期間内に限られること刑訴規則二五七条により明らかであるから、本件趣意書中

に述べられている右申立は採用できない)なお、本件には刑訴四一一条を適用すべ

き事由も認められない。

同第二点について。

事実審の裁判所が普通の刑を法律において許された範囲内で量定した場合におい

て、それが被告人の側からみて過重であるとしても、これを憲法三六条の「残虐な

刑罰」ということはできないことは、当裁判所大法廷の示すとおりである(昭和二

二年(れ)第三二三号昭和二三年六月三〇日大法廷判決)。 それゆえ、第一審裁

判所が被告人等に対し法律の所定範囲内において所論の罰金刑を科し、原審がこれ

を是認したからといつて違憲であるということはできない。

被告人等本人の上告趣意について。

所論は、刑訴四〇五条の定める上告理由に当らないから採用することができない。

また、本件には刑訴四一一条を適用すべき事由も認められない。

よつて、本件上告を理由ないものと認め、刑訴四〇八条一八五条一八一条に従い、

裁判官全員の一致した意見で主文のとおり判決する。

- 1 -

昭和二七年七月二九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 本 村 善 太 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!